家づくりのヒントは地域の歴史にあり?
~波乱万丈の武将、藤堂高虎公が津に残したもの~
こんにちは。三重県津市・松阪市で家づくりをサポートしているサイエンスホーム津店の藤後です。
いつもは、皆さんの家づくりに役立つ情報をお届けしているこのブログですが、今回はちょっと趣を変えて、地域の歴史に触れてみたいと思います。
というのも、私たち工務店は、この三重県津市・松阪市という地域に根差して仕事をしています。家づくりは、その土地に住まいを築くこと。だからこそ、その土地の歴史や文化を知ることも、とても大切なことだと考えているんです。
今回、ご紹介したいのは、この地域の礎を築いたとも言える、戦国から江戸時代にかけての武将、藤堂高虎(とうどうたかとら)公です。
実は、高虎公は私たちの住む津と非常にゆかりの深い人物。彼の波乱に満ちた生涯と、この地に残した偉大な功績を知ることで、今の津や松阪の街並みがどうしてこうなっているのか、そのルーツが見えてくるんです。
1.波乱万丈の生涯と築城の天才
藤堂高虎公は、永禄元年(1558年)に近江国(現在の滋賀県)に生まれました。
彼の一生は、まさに激動の時代を駆け抜けた「波乱万丈」という言葉がぴったりです。浅井長政、織田信澄、豊臣秀長、豊臣秀吉…と、次々と主君を変えながらも、それぞれの時代で武将としての才覚を発揮し、ついには徳川家康に仕えることになります。
彼は仕えた主君に対しては非常に忠実でした。特に、晩年に仕えた徳川家康からは絶大な信頼を得ており、関ヶ原の戦いや大坂の陣では重要な役割を果たしました。家康は高虎公を評して「天下普請(てんかぶしん)に役立つ人物」と言ったと伝えられています。
※天下普請とは、豊臣秀吉や徳川家康が天下人になってから、全国の諸大名に命じて築城や土木工事など行わせたことです。
高虎公は武将としての能力に加え、「築城技術」を高く評価されていました。地形を巧みに活かし、実戦を想定した堅牢で合理的な城を築く名人でした。石垣を高く積み上げたり、敵が侵入しにくいように縄張り(城の設計)を工夫したりと、その技術は当時の最高峰でした。
彼が手がけた城は、今治城(愛媛県)、篠山城(兵庫県)、そして天下普請の代表格である江戸城の改築など、全国に及びます。
私たちの津城も、彼によって大きく改築・拡張されました。
2.最後の地、津藩主として街の礎を築く
徳川家康の天下が定まると、高虎公は伊予今治藩から、慶長13年(1608年)に伊勢国安濃津(あのつ)、すなわち現在の津の藩主として、32万石という大大名に出世します。
津藩主となった高虎公は、それまでの津城を大幅に改築・拡張するとともに、城下町の整備に力を入れました。
3.計画的な街並み整備
お城を中心に、武家地、町人地、寺社地を計画的に配置しました。敵の侵入を防ぐために、道筋をわざと曲げたり、袋小路を作ったりといった工夫も見られます。
また、干拓などの治水事業も行い、人々の生活基盤となる土地を整備しました。
4.伊勢街道の引き込みと経済振興
「伊勢は津で持つ、津は伊勢で持つ、尾張名古屋は城で持つ」という言葉がありますが、
高虎公の最大の功績の一つと言えるのが、伊勢街道(東海道と伊勢神宮を結ぶ重要な街道)を城下町に引き込んだことです。
それまで、伊勢街道は津の街の海岸沿いを通っていましたが、高虎公は街道を城下町の中に通すことで、伊勢参りの人々や旅人が必ず津の街を通るようにしました。
これにより、津は伊勢神宮への参拝客で賑わう門前町として、また旅人が休息する宿場町として発展しました。人々の往来が増えることで、物資の流通が活発になり、商業が栄えました。
5.今に息づく高虎公の功績
藤堂高虎公が、彼が津の地に残した城郭、そして街並みの基礎、さらには伊勢街道による交通・経済の基盤は、現代の津市に大きな影響を与えています。
地域を知り、歴史に学びながら、気候・風土を理解し住みやすい良い家を建てていく。それが、私たち工務店の使命だと思います。
6.さいごに
今回のブログで藤堂高虎公という素晴らしい人物の功績に触れ、皆さんの地元への愛着が少しでも深まれば嬉しいです。
次回はまた、家づくりに役立つ情報をお届けします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
社長ブログ
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第5回:接道と方位を考慮した窓の配置〜快適な住まいづくりのコツ〜
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