接道と方位を考慮した窓の配置〜快適な住まいづくりのコツ〜
はじめに
津市・松阪市で家づくりを検討されている皆さん、こんにちは。サイエンスホーム津店 代表の藤後です。
家づくりで多くの方が悩むポイントの一つが「窓の配置」です。
窓は単なる開口部ではなく、住まいの快適性や省エネ性、そして外観の印象を大きく左右する重要な要素です。
今回は、敷地条件を踏まえ、特に接道と方位を考えた窓の配置について、私たちが30年の実績で培ったノウハウをご紹介いたします。
1. 敷地条件から考える窓の配置
1-1.方位と日当たり
窓の配置を考える上で基本となるのが方位です。
南向きの窓は日当たりが良く冬の暖房効果を高めますが、夏は直接日光が差し込まないようにする工夫が必要です。
①東向きの窓:朝日が入り、朝食時に明るいキッチンやダイニングに適しています。
②南向きの窓:一年を通して日当たりが良く、リビングやよく使う部屋に最適です。ただし、夏の直射日光を避けるため、庇(ひさし)やルーバーなどの日除け対策が重要です。
③西向きの窓:夕方から夕日が入るため、特に夏は室内が高温になりやすいです。隣家との関係、断熱性などを考慮し、窓の大きさ、位置を検討する必要があります。
④北向きの窓:直射日光が入らず安定した光が得られます。水回りなどの長時間使わない部屋に適しています。
2-2.家の周り環境との関係
隣家との距離や道路からの視線も重要な要素です。
①隣家が近い場合:視線が気になる場所には高窓やすりガラスの窓を配置したり、格子やブラインドを活用しましょう。
当社が手がけた津市一志町の事例では、洗面脱衣室がある隣家との距離が2mしかない側面に、高さ1.8m高さに型板ガラス(片面に様々な型模様をデザインしたガラス)の高窓を配置しプライバシーを守りながら採光を確保しました。
②道路に面している場合:1階の窓は目線より高い位置に設置するか、格子やルーバーで視線をコントロールすることをお勧めします。
またカーテンを使うことで視線が気にならなくなります。
松阪市高町の施工事例では、道路側に大きな窓を設けながらも、軒を伸ばして千本格子を取り付けて、外からの視線を自然に遮る工夫をし通風に問題が無い様にしました。また千本格子は光を縦に入れますので、太陽光が縦長の線になり、明るさの影響が少なくなります
2-3.風の流れを考慮した配置
風通しの良さは、夏場の冷房費削減だけでなく、一年を通じた住まいの快適性に関わります。
①風の流れを作る:風の入口と出口を対角線上に配置すると、効率よく風が流れます。
津市観音寺の事例では、卓越風向(その地域独特の風向き)を考慮して南西と北東に窓を配置し、風の通り道を確保したことで、夏場の冷房使用が30%削減できました。
②高低差の活用:吹き抜けを採用することで、温かい空気は上に上昇する性質を利用し、1階と2階の空気を循環させ、夏場の冷房で冷えた空気をシーリングファンを使って上に引き上げるようにシーリングファンを回転させて循環させ、冬場は暖房で温めた空気を2階から1階に循環させる事が室内温度差が少なくする事も大切です。
2. 生活スタイルと間取りに合わせた窓の配置
各部屋の使い方に合わせて、窓の大きさや種類を選びましょう。
①リビング:家族が集まる場所には、大きな窓を設け、明るく開放的な空間に。 サイエンスホームでは、リビングに吹抜け空間をご提案しています。吹抜けを設けるとリビングだけでなく北側の部屋まで明るくなります。また南側の隣家と距離が少ない場合でも開放的な空間を演出します。
②寝室:朝日で自然に目覚めたい方は東向き、夜更かしする方は西向きの窓が適しています。プライバシーと安眠のためにも、窓のサイズや位置に配慮しましょう。
③キッチン:調理中の換気のため、風通しの良い窓の配置を。
シンク上に窓があると、自然光で作業がしやすくなります。
④浴室・トイレ:プライバシーを確保しながらも、湿気対策として換気できる窓を使ったり、24時間換気用の換気扇を使うと良いでしょう。かつては高窓や曇りガラスの採用が一般的でしたが、近年は浴室やトイレには窓をつけないケースも増えています。
まとめ
窓の配置は、敷地条件や生活スタイルなど多くの要素を総合的に考慮する必要があります。しかしこれらを適切に計画することで、光と風を活かした心地よい住まいを実現できます。
私たちサイエンスホーム津店では、お客さまの敷地条件や生活スタイルに合わせた窓の配置提案を得意としています。
一方、窓は種類が多く法規制もあり、その選び方で予算も大きく変化しますので、賢い窓の選び方を一緒に考えてアドバイスをさせて頂いております。
家づくりは、敷地、建物、資金の全体バランスを常に考慮しながら進めることが大切です。
私たちは地元をよく理解した視点からアドバイスいたしますので、家づくりに迷ったらお気軽にご相談ください。
※窓の種類、法規制については別ブログをご覧ください。
社長ブログ
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第2回:接道状況が家づくりに与える影響とは?〜工務店が教えるチェックポイント〜
第3回:「土地を持つ」ということ~所有権から履歴まで知っておくべきこと~
第4回:家全体のバランスを左右する窓の役割とは?~落ち着ける家づくり〜
第5回:接道と方位を考慮した窓の配置〜快適な住まいづくりのコツ〜